八ヶ岳の麓、オーガニックで丹精込めて育てられたローズ摘み取りと蒸留体験

長野県の富士見町に移住して4か月が経った頃、2月の寒い冬の夜、長野県の富士見で、無農薬でローズを育て、ローズウォーターの蒸留をされているという浅岡さんとはじめてお会いし、話を聞いたとき、心臓が飛び出そうなくらい、ワクワクしたことを覚えている。

6月になったら、露地栽培のバラが咲くので、蒸留を体験しにきたらいいよ。

と無農薬ローズを栽培されている浅岡さんに教えてもらい、春を心まちにしていた。

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カンボジアから帰国し、早々にHPをみると、八ヶ岳ローズウィークとあって、ローズを贅沢につかった蒸留をはじめ、手作り石鹸、キッチン蒸留など、ローズ好きにはたまらない1週間。

午前中は、バラの摘み取りと蒸留体験、ということでうちから20分ほどの距離にある浅岡さんのローズ畑に行ってきた。

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まず、好きなカゴを選んでいいよー!ということで、肩から紐をかけて両手がしっかり使えるものを手にとる。

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今回、摘み取りをさせてもらったのは、浅岡さんが育っておられる「ゴルムハマディ」という名のバラ。

なんと、人類が最初にローズウォーターを作るために使われた薔薇で、「ゴルムハマディ」とは、ゴル=花、ムハマディ=マホメットで、「マホメットの花」という意味があるそう。

3000年前のペルシアでローズの蒸留がはじまった

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イスラム教以前の、ゾロアスター教では神殿を清めるために使われたいたというローズウォーター。はじめて蒸留されたのは、3000年前のペルシア。現在のイランだ。

当時、ペルシアでは、薬用としてゴルムハマディを原料としたローズウォーターが蒸留されていたとか。

しかし、なんと近年の調査で、古代ペルシアの遺跡から7000年前に既にローズウォーターを使っていた痕跡が発見された。水蒸気蒸留法ではなく、水に浸水させる形で抽出する方法をとっていたそう。

いづれにせよ、この調査は、どれほど長い歴史を、人々が芳香成分を暮らしの中で使ってきたのかという、「香り」の貴重さを思い出させてくれる事実だ。

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香りは、長く神仏に備えられ、地上と神をつなぐものだと様々な国々で使われてきた。

ブルガリアのローズ畑をインターネットで情報がないので、現地で聞き込みをしながら、ローズ畑を探したのも、ちょうど今から3年前の6月だった。一人カルロヴォという町に降り立ち、土地勘もないので、現地のことはタクシーのおじさんに聞けばいいという思いから、どこか、この辺りにローズ畑はないかとローズの写真を見せた。

すると、何も言わずにタクシーに乗れという合図のもと、走りはじめて5分、一面にローズ畑が現れたときは、言葉がでないくらい感動した。

空に舞い上がるほど濃厚な香りが漂うブルガリアのローズ畑に足を踏みれいれたとき、ふと感じたことがある。

ブルガリアのローズ畑

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それは、ロサ・ダマスケナ(ダマスクローズ)が一面に咲き乱れる場所の空気の綺麗さだ。

そして、周りには、大きな山々があり、ちょうどローズ畑は山々に囲まれた場所にあるため、温度がひんやりとしている。

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さらに、美しい山々に囲まれて、水がきれいな場所だった。

ここ、アサオカローズさんのBALAhouseも、八ヶ岳と南アルプスに囲まれ、美しい空気と水がある。夏でもひんやりとした気候。バラを栽培するには共通する条件があるのかもしれないなと感じた。

浅岡さん曰く、

環境にぴったりあった植物や品種を選んであげると、たとえ無農薬でも元気に育ちますよ。

とのことで、その土地土地にあった品種があることは、栽培していく中で発見できるという。

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バラが元気に育つようにと、クローバーなどを植えたり、いろいろな草が共生している。虫も蜂も、芳しい香りに誘われて、ローズ畑でたくさんウロウロしていた。

一般的なローズウォータの原料は、ダマスクローズが多い中で、虫も食べれるローズ、それも、人類が最初にローズウォーターを作るために使われた薔薇を原料につくるローズウォータは、一体、どんな香りになるのだろうか?

湧き水を汲みに行く

さて、ローズとともに大切になるものが、「水」である。

湧き水で蒸留をすると伺い、一緒に採取所へ向かった。ひんやりと冷たい湧き水は、飲むこともでき、そして遠目でも、水の透きとおり具合が凄まじい。

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もちろん、軟水であり、蒸留所から車で1分ほどの距離。

畑と水汲み場と蒸留所の距離の近さを考えると、世界的に見ても、これだけ近くで全ての原料と工程が行われる場所は、ほとんどないのでは?とのこと。

さらに、注目すべきは、軟水の水で蒸留するということだ。硬水の水と比べて肌を柔らかくする水で蒸留されたローズ水は、より肌へ優しいし、口あたりもまろやかになる。

いよいよ蒸留!

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バラを1キロ量り、どんどん左の蒸留器に詰めていく。

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全て詰め込み、汲んだばかりの蒸留水を注ぎ入れる

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蒸留水を入れる容器をセットする。

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そして、ガスに火を入れる。

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温められて水蒸気になった成分を冷やすために、冷却水も。

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蒸留を待っている間、二種類のローズウォーターを試飲させていただいた。

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左からゴルムハマディ、摘み取り体験をしたバラの品種、そして右側がオーバーナイトセンセーション。

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コップに注いだ瞬間、ローズウォーターの香りが立ち込めて、参加者のメンバーで顔をあわせて、幸せだねという相槌をしあうほど、人にとってこれほど芳しい香りがあるのだろうか?

どちらも、無色であるが、香りと味わいが、かなり違いがある。口いっぱいにバラの香りが広がり、顔から首、そして鎖骨にかけてじんわりと温まってくるのを感じた。

バラ水に、こんな暖かくなる効果があることをはじめて知った。

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わたしも、ここ5年ほどは、ずっとローズウォーターをベースにした手作りの化粧水を使っていて、家族もその良さを実感したことで、母、姉妹ともに、みんなローズウォーターの化粧水を手作りしている。

10年前にドイツのオーガニックコスメに出会ったことで、その分野にどっぷりはまり、ドイツの会社に転職してドイツに住むことで、メーカーを訪問したり、アロマを学んだりする時間を得ることができた。

日々、植物の力に癒され、そして力をもらってきた。

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今回の講座では、自分で摘み取り体験をしたゴルムハマディの蒸留水が熟成期間をへて、完成した時点で送ってくださるとのことで、オーバーナイトセンセーションとバラ水を母へのお土産に購入。

無農薬なので安心して、肌につけてもよし、飲んでもよし。

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じっくり熟成させることで味がマイルドになる

聞いてとても驚いたのは、蒸留したらすぐに飲めるのかと思いきや、、ローズウォーターは、実は、出来たては美味しくないのだそう。

ミニマムでも半年寝かせる方が、断然おいしくなるそうで、2年寝かせると、とてもおいしくなるというからビックリ!

さらに、ローズウォーターに含まれる成分には抗菌作用、抗酸化作用があるため、日に当たらない、常温では、なんと5年置いておいても大丈夫なのだそう。

他のハーブウォーターは、例えばラベンダーなどの蒸留水は、数週間で匂いが変わるということで、ローズウォーターが古来から、長い間愛されてきた理由は、この保存のしやすさにも関係がありそうだなぁ。

終わりに

ローズを一輪づつ摘み取る瞬間ごとに、柔らかく甘いローズの香りが心を楽しませてくれました。ローズの品種によって、芳香成分も変わるため、一概には言えませんが、ゴルムハマディの香りを嗅いだとき、ブルガリアのローズ畑の香りと同じような芳香を感じました。

イギリスでアロマセラピーを学んだとき、先生の好きな香りは、ローズとネロリでした。その影響を受けてか、以来、わたしも、ローズウォーターとネロリウォーターを手作り化粧水のベースとして使うようになりました。

今回、日本国産、無農薬、自分で貴重なローズの蒸留体験ができるという素晴らしい体験を提供してくださった浅岡さんに心より感謝しています。

体験されたい方は、露地で収穫できる6月の八ヶ岳ローズウィークを楽しみにされてください。さらに、他の月でも、ハウスで栽培されているローズの摘み取り、蒸留体験ができるそうなので、HPかFacebookページから問合せをされるといいと思います。

バラが好きな方、香りが好きな方へ、心からおすすめします!

浅岡ローズさん

浅岡さんのローズウォーターは、まもなくHPからも購入可能になるそうです。

それまでは、電話での注文も受けておられるそうなので、ご興味がある方は、こちらから。

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株式会社アサオカローズ

〒399-0211 長野県諏訪郡富士見町富士見6464

TEL  0266-75-5882

https://www.asaoka-rose.com/

https://www.facebook.com/asaokarose

ブルガリアのローズ畑を訪問したときのブログはこちらから

滋賀県出身、元外資系CA、時色株式会社取締役。イギリスでアロマセラピーを学び、IFPA認定アロマセラピスト取得。四川、バンコク、ドイツで10年暮らし、4ヶ国語(英独中泰)を取得。現在、北海道洞爺湖へ移住。

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