ローズ祭りで有名なブルガリア|360度ローズ畑の世界へ
ブルガリアでダマスクスローズが開花する時期
聞き込みを開始して、わずか数分。
言葉が通じないのものの、
タクシーのおじさんにローズ畑の写真を見せると、
静かな面持ちで、「わかった」という表情。
タクシーはゆっくり走りだす。
まだ咲いているのかな、ローズ。
と不安に思いながら、窓の外をじっと眺めていると
走りだして、数分でタクシーがとまった。
あれ?もう着いた?
カルロヴォの中心地からわずか車で数分。
「来てよかった。」
この風景を前に、久しぶりに、心がふるえるほど感動して、
一人声にならない声を心中で叫びながら、
写真をとるのを忘れて、見とれてしまった。
ダマスクスローズの香りは、天に立ち上っていくのではないかというほど、
つよく、そしてやわらかく、甘い香りを放つ。
どこまでも広がるローズ畑
少しわかりづらいけれど、
写真のようなローズ畑がずっとずっと、どこまでも広がっている。
正面に大きな山があり、空気はひんやり。
なるほど、だからか。と納得。
最高品質のローズを生産できるのは、
土地、空気、水、どれをとっても汚れていないから。
香りが村を彩る風景。
どうしてもリアルに嗅いでみたかったこの香り。
ひとつひとつ区画されて整備されたローズ畑をイメージしていましたが、
雑草、花々、いろんなものに取り囲まれるようにして咲き乱れています。
たくましい。
写真をぱちぱち撮らせていただいていると、
管理人さんらしき人がやってきて、
「そんなにローズが好きなら、もっとローズがあるところへ案内してあげよう」といって、
畑の奥へ奥へと歩きだしました。
数分後、
「お土産に」と言って、棘にさされながらたくさんローズを摘んでくださいました。
なんて優しい人たちなのだろう。
ブルガリアに来てからというもの、数えきれない人たちに助けてもらって、
ただただ、人の素朴さと、優しさと、親切さにふれて、心が温かくなる思いを何度も経験した。
旅にでると、それも一人で旅にでると、
より鮮明に記憶が残るのは、私だけではないと思う。
向田麻衣さんが本の中で書いていた言葉を思い出した。
美しいものを見るときは、決まっていつもひとりのときだと気づいたのもこのときだった。
だから一人旅はやめられない。
ローズの花束をもらう幸せ
ローズの花束をもらうことは、女性にとってこのうえなく幸せなこと。
まさか、ブルガリアでローズの花束をいもうらうとは・・・
畑の管理人さんと、
タクシーの運転手さんも加わり、
「さぁ」
と言って手渡しくれた。
袋いっぱいのバラ。
そして、おもむろにカッターを取り出して、
花束までつくってくださった。
ここは、時間のながれも、私が暮らしている場所とはちがっていた。
「ありがとう」を何度いっても足りないくらい
どう感謝していいかわからない中、
なにもなかったように、さっそうと戻っていく二人のおじさんの後姿をみて、
いつまでも、心に温かみのある人でありたいと思った。
ローズは、ドイツに持ち帰って、
数日後に開催した講座でみなさんにも嗅いでいただきました。
数日たったあとでも、
「とってもいい香り!」
とみなさん感動されてました。
そして、家に持ち帰り、ドライフラワーにしました。
最後まで大切に使わせていただきます!
ブルガリアで出会ったみなさま、本当にありがとうございました。