使ってよかった!ドイツオーガニックコスメ・Dr.ハウシュカのリップクリーム徹底解剖
たとえば、自分でリップクリームをつくろうとするとシンプルに以下の4つの原料で作れます。
20グラムをつくる場合
1 | ビーズワックス | 20% | 4g |
2 | シアバター | 39% | 7.8g |
3 | アプリコットオイル | 40,5% | 8.1g |
4 | ビタミンE | 0.5% | 0.1g |
けれど、本場のドイツオーガニックコスメのリップクリームの実力を知っていると、思わず、どんな成分を配合すれば、そこまでのレベルに達せるのか?気になって調べてみました。
Dr.ハウシュカのリップクリームの保湿力の秘密
ドイツのオーガニックコスメを代表する、ドクターハウシュカのリップクリームは、極度の乾燥でも、しっかりと唇を守ってくれます。わたしも、欧州と日本を結ぶフライトで10時間以上飛んでいたときも、これを塗ってから口紅を塗ると、乾燥が和らぎました。ほんのり、甘い香りがするのも、癒されます。
唇の皮膚のレイヤーは、3から5層しかなく、とても薄いです。そのため、潤いを逃さず、熱や寒さから保護してあげるためには、リップクリームはありがたい味方。
さて、さっそく、成分を一つ一つ、見てみることにしましょう。
ドクターハウシュカリップクリーム・成分
ヒマシ油 | 粘土が高く、保湿力が高い。お腹のマッサージや、コスメのクレンジング剤に使用されることが多い。 |
カニナバラ果実エキス | ローズヒップエキス。カニナバラの果実を水、エタノール、BG(1,3-ブチレングリコール)、またはこれらの混合液で抽出して得られるエキス。ビタミンCは、レモンの20倍から40倍。
・エラスターゼ活性阻害による抗老化作用・SCF結合阻害による色素沈着抑制作用 |
ホホバ種子エキス | ホホバの種子から圧搾・精製によって得られる植物性液体ロウ。
・エモリエント作用 |
ラノリン | ウシ科動物ヒツジの皮脂分泌物(羊毛脂:wool grease)を精製して得られる動物性ロウ。
・皮表水分量増加によるエモリエント作用 化粧品成分表示名称としては吸着精製ラノリンであってもラノリンで統一されており、成分一覧表示には「ラノリン」と記載されているため、アレルギー原因物質を除去した吸着精製ラノリンかどうかが気になる場合は販売メーカーに確認する必要あり。
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ミツロウ | ミツバチ科動物ミツバチ(学名:Apis mellifera 英名:Honey bee)の巣から得られる動物性固体ロウ。 精製・漂白前のミツロウを黄ロウ、精製・漂白したミツロウを白ロウと呼ぶ。・粘稠性、可撓性および可塑性による感触改良 |
ニンジン根エキス | ウコギ科植物オタネニンジン(学名:Panax ginseng 英名:Chinese ginseng,Korean ginseng)の根から水、エタノール、BG(ブチレングリコール)などで抽出精製して得られるエキス。
オタネニンジン(御種人参)は別名、朝鮮人参、高麗人参とも呼ばれており、薬理作用としては、ジンセノサイドによるタンパク質、DNA、脂質などの合成促進作用、抗疲労、抗ストレス作用、新陳代謝促進、強壮作用、血糖降下作用、認知症改善効果など数多くの研究結果が報告されています。 また漢方では、代表的な補気薬であり、強精、健胃整腸、神経を安定させ、津液(∗1)を生じる効能があります。 ・新陳代謝促進作用 |
シア脂 | シアバター
アカテツ科植物シアーバターノキの種子から得られる植物油脂です。シアーバターノキは、シアベルトと呼ばれる中央アフリカのヴェルデ岬からチャドにかけて広がるサヘル帯に天然分布しています。 オレイン酸約45%、ステアリン酸約40%を占めており、総合的に酸化安定性は高いと考えられます。 ・皮膚保護および皮膚水分量増加によるエモリエント作用 ・香料の保留性が良好 |
キャデリラロウ | カンデリラロウ
カンデリラの茎から得られた、ヘントリアコンタンを主成分とするものをいう |
カルナウバロウ | ヤシ科植物カルナウバヤシ(学名:Copernicia Cerifera 英名:Carnauba)の葉の細孔および葉柄の分泌物から得られる植物性固体ロウです。
油性成分の硬さ向上による感触改良に関しては、カルナウバロウは植物性ロウの中でも強靭性・硬さにおいて最も優れており、他の油性原料に少量添加することで硬度を上げる機能が非常に優れているため、口紅などスティック状製品の硬さ調整に使用される。 またカルナウバロウはロウエステル中にヒドロキシ酸を含んでいるため、乳化しやすい性質があり、固型マスカラの基剤やヘアワックスなどにも用いられます ・油性成分の硬さ向上による感触改良 |
ダマスクバラ花エキス | バラ科植物ダマスクローズ(学名:Rosa × damascena)の花から水、BG(1,3-ブチレングリコール)またはスクワランで抽出して得られるエキス。
・香料 |
アーモンド油 | バラ科植物アーモンド(学名:Prunus amygdalus dulcis 英名:Almond)の種子から採取して得られる植物油(植物オイル)。オレイン酸が約65%、リノール酸が約20%を占めており、オリーブ果実油よりは不飽和度がやや大きいですが、酸化安定性は比較的高いと考えられます。 |
セタノール | パーム油を還元して得られる炭素数16の一価アルコールである高級アルコール(脂肪族アルコール)。感触改良に関しては、適度にエモリエント性があり、皮膚に滑らかさと肌ざわりの良い感触を付与するため、古くからクリームや乳液に使用され続けています。
・乳化補助 |
アンチリブルネラリアエキス | 16世紀の書物にも、傷跡が残らないように傷口をふさいでくれるので、大変重宝されたと記されています。血液を浄化し、利尿作用を活発にして毒の排出を促すので、喉の腫れや口内炎に、また凍傷や日焼けの手当てなどに用いられていました |
アンズ核油 | アンズ(杏)は中国北部原産で、アンズの種子(仁)をキョウニン(杏仁)と呼び、日本には奈良時代に薬用として渡来し、今日では長野県や山梨県で栽培されています オレイン酸が約65%、リノール酸が約20%を占めており、二重結合が2つ以上の不飽和脂肪酸であるリノール酸の含有量が高いため、酸化安定性は低い。 ・エモリエント作用 |
ダマスクバラ花ロウ | ローズワックスは、バラ花からエッセンシャルオイルや、 アブソリュートオイルを抽出する際に得られる、 コンクリートと呼ばれる抽出物から得られたロウ 。 |
水添ホホバ油 | ホホバの原油を精製し、水素添加を行い二重結合を切って安定させた融点約70℃の白色の固体。 |
香料 | ・・ |
参照元、化粧品成分オンライン
特に気になった成分は、カニナバラ果実エキス、ニンジン根エキス、ダマスクバラ花エキス、カルナウバロウ、アンチリブルネラリアエキスです。
まず、有効成分となるエキス、カニナバラ果実エキス、ニンジン根エキス、ダマスクバラ花エキス、アンチリブルネラリアエキスなど、リップクリームにもかかわらず、その一つ一つに驚くほど、効果が高いものが選ばれています。
特に、アンチリブルネラリアエキスは、ドクターハウシュカの基礎化粧品のラインナップのほとんどに使われており、その有用性は、歴史的に長い年月、傷を癒してきた実績があるようです。
ダマスクバラ花エキスは、リラックスさせてくれる効果も強く、まさに肌の治癒だけではなく、心のケアまで考えられたプロダクトであると感じます。肌の美しさに、心は大きく影響するのは、周知のとおりです。けれど、なかなか、そこまで考え尽くされたプロダクトは、少なく、手にすると温かい気持ちなります。
まとめ
お気に入りのプロダクトを成分から見てみると、手作りコスメの腕を上げていく上で、とても参考になるかと思います。
また、どんな成分が自分の肌には、有効なのか?を知る上でも、お気に入りの化粧品があれば、ぜひ成分を見てみると、そのうちに自分にぴったりのナチュラル・オーガニックコスメを生みだしていける道へと続いているとのかもしれません。
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- ドクターハウシュカを南ドイツに訪ねて(レポート1)
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