人づきあいを避けてしまいたくなるのはなぜ?

それは、自分の言いたいことをがまんし、相手に合わせてばかりいるから。

「人と会うのが面倒くさい」

私もかつてそんな時期がつづきました。

そもそも、人と会うことはお互いの近況を話したり、意見を交換したりして、楽しい時間であるはず。

にも関わらず、なぜか億劫であったり、気がのらなかったりすることがあるのはなぜでしょうか?

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望むのは自分と相手が意見を、素直に表現しあい、お互いに理解しあえたあの感覚

それは自分がまずは、積極的に、自分の気持ちを表現していくことが大切です。

 

そして、相手と自分は、まず全くちがう「個」であることを認識していることも必要。

ちがうがゆえに、たまたま意見が一致すれば、ラッキーで深く共有しあえばいいし、

ちがえば、そういう見方があるのだと、新しい視野を得た感覚でいればいい。

そう考えていれば、相手が自分とはちがう意見を言ったときも、素直に聞けますよね。

 

では、自分の気持ちを素直に表現するには具体的にどうしたらいいのか?

それは、まずは自分の気持ちに「気づく」練習をするといいと思います。

 

たとえば、友達から連絡がきて、「今日の夜、ごはん食べにいかない?」と誘われたとします。

夜には、すでに彼とデートする約束がある。そして約束していた彼とのデートに行きたい。

こんなとき心ではどんな気持ちが起こるでしょうか?

 

  • せっかく、連絡してきてくれたのに、断ったら、付き合いが悪いと思われないか?→関係が悪くなることへの不安、恐怖
  • 友達より彼をとるんだと思われるんではないか→自分が悪く思われることへの不安、恐怖
  • でも突然連絡してきた向こうが悪いし、先に約束していた彼とのデートにいこう→こんな気持ちにさせた友達が悪い。嫌い

 

と色々な感情がおこると思います。

 

このとき、これらの自分の感情にまず気づくこと、それが大切です。

そして、気づくための最良の方法が「私はー」と言葉で文章を始めること。

 

例えばこのようになります。

  • 「私は彼とのデートを優先したい」
  • 「私は友達に嫌われたくないと思っている」
  • 「私は、友達にもっと早く連絡してくれればよかったのにと思う」

 

すると、私が今感じていることを自分の中で整理し、理解することができます。

そして、それを素直に相手に表現します。

 

「あなたと食事に行きたいけれど、今夜はもう約束があるの。

もう少し早めに連絡をもらえれば、時間を作るので、またぜひ食事にいきましょう」

 

自分の感情と向か合わないでいると、「相手に悪いし」とか「友達に嫌われたくないし」と一瞬頭によぎる思考で、思わず「友達との食事をとる」ということが起こりえます。

 

でもこうしたら、本当に「友達のために」になったのでしょうか?

実はここに大きな落とし穴があります。

 

友達のために選んだ選択は、結果として自分の大切な彼との約束をやぶることになる。

そして、なによりも自分の沸き起こった感情をうらぎり、自分を大切にしなかったことになるのです。

 

自分の感情をころし、相手にあわせることは、一見すると「相手をたてる」かのように感じますが、

実は、それはちがいます。

自分の感情をまげ、相手をたてれば、相手はそれがあなただと思い込みます。

 

例えばあなたは、辛いモノが苦手なのに、

相手:「私、辛いモノがだいすきだから、今日は四川料理を食べにいこう!」と言われて、

あなた:「うん、そうだね、いいよ」(私は、本当は辛いモノ苦手だから食べたくない)

と答えるとします。

 

すると相手は、あなたは辛いモノが同じように好きで、食べたいのだと認識します。

でも、あなたは本当は辛いモノが嫌いなので、なんだか心にわだかまりを感じ、食事中は楽しく会話ができず、帰る頃には少し友達のことがきらいになっているからもしれません。

 

つまり、相手をたてたことで、その一瞬はよい空気が流れたとしても、自分の気持ちにうそをついているため、うれしくありません。

 

結果として相手に合わせた自分を好きにはなれず、もやもやしてしまうのです。

挙句の果てには、相手に嫌悪感まで抱くこともあります。

 

もし、自分の感情を素直に表現していれば、相手の「辛いモノを食べたい」という願いを実現できなかったとしても、別のおいしいものを食べにいけたらそれで友達は満足してくれるかもしれないし、なにより自分が自分の気持ちに素直であったことで、自分を信頼でき、相手に対しても嫌悪感を抱くというようなことは起こりません。

 

相手も、いやいや付き合われて、「いいよ」と言ったのにもかかわらず、帰るときにはなにか不機嫌で、さらに自分に嫌悪感まで抱かれたら、たまったものではありません。

 

そうではなく、素直に表現してもらい、お互い納得した上で楽しい時間を過ごせたほうがいいに決まっているのです。

 

自分の感情を大切にすることは、まわりまわって、相手を大切にすることにつながります。

「私はーーである」の表現で、自分の感情に気づき、

本当に相手のことを思うなら、その感情を大切にして、素直に表現してみてください。

 

そうすることで、相手に本当の自分を表現しても受けいれてもらえ、理解されるという、

「受容の喜び」を感じるでしょう。

「素直に表現するあなた」は、相手にとっても「何を考えているか理解しやすく」、心の裏まで読むなんて労力もなくなります。

 

素直に表現してくれる、あなたを信頼し、相手も素直に表現しやすくなるものです。

 

そうすれば、人間関係に今までになかったような、深い安堵の関係が生まれます。

そして、人とつきあうことは、自分を相手に合わせることではなく、そもそもちがう「個」を

会話を通じて、受け入れていくことなのだと気づくでしょう。

 

もし、最近人と会うのが億劫になっているなと思ったら、自分の気持ちを無視していないだろうか?

相手に合わせすぎていないだろうか?と自分に問いかけてみてください。

 

人と会うのは、本来楽しいことです。

自分の気持ちを素直に表現して、どうぞ豊かな人間関係を築いてくださいね。

 

 

滋賀県出身、元外資系CA、時色株式会社取締役。イギリスでアロマセラピーを学び、IFPA認定アロマセラピスト取得。四川、バンコク、ドイツで10年暮らし、4ヶ国語(英独中泰)を取得。現在、北海道洞爺湖へ移住。

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