最高級ローズはブルガリアに|バラの谷カルロヴォへ

もっとも香しいバラを育て、愛するブルガリアの人々

5月下旬、世界で一番美しい香りをはなつバラの女王「ダマスクスローズ」をもとめて、

バラの谷と呼ばれる「カルロヴォ」という小さな山間の村にいってきました。

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薔薇に対するヨーロッパ人の讃美を、我々は分かつことをえない。

・・・あたかも死を嫌い恐るるがごとくであること、その華美なる色彩、濃厚なる香気

 

新渡戸稲造が、「武士道」の中で表現したこの一節は、

当時からいかに西洋文化圏において、薔薇が価値を持っていたかを物語っています。

 

 

わたしたち日本人が桜をこの上なく愛するように、

そしてその愛情を言葉で語りつくせないのと同じように、

薔薇をこよなく愛する人々がいる。

 

年に一度、バラの谷がむせかえるように甘い香りに包まれる5月、

喜び、祝い、踊り、歌う、

ブルガリアの小さな村は、バラ祭りでにぎわいます。

クレオパトラも愛したダマスクスローズとは?

 

世界には、2万種類以上のバラがあるのと言われています。

しかし、その中で香料として使用できるローズオイルが抽出できるのはたった4種類しかありません。

 

このダマスクスローズは、見ための華やかさという点では鑑賞用のバラにかないませんが、

濃厚で甘く、心の奥にまで届くような美しい香りを持ちます。

 

その香りこそが、古くから愛されてきた理由であり、

クレオパトラがもっとも愛したのもダマスクスローズ香りだと言われています。

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モロッコ、トルコ、イタリア、中国などでも栽培されていますが、

ここブルガリアでは、国土の1/3が山地であること、

また地下水や湧き水などのきれいな水に恵まれているなど、

その恵まれた気候と土壌から、全世界のローズ生産の70%を占めているのだそう。

 

実際に、カルロヴォの村におりたった瞬間、

たった一時間しかバスで走っていないのに、さっきまでいたプロヴディフの街より、

気温が下がり、空気がひんやり、澄んでいることを体感しました。

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新鮮な野菜や果物がならぶカルロヴォの市場

バラを探す前に、バスから降りてすぐの場所にあった市場をのぞいてみました。

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色とりどりの野菜や果物が並んでいて、どれもとても新鮮!

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この時期、ブルガリアでよく見かけたイチゴとチェリー。

ダマスクスローズを育む、豊かな気候と土壌でそだったイチゴとさくらんぼをたっぷり買い求め、

ほほばると、元気がもどってきました。

 

ここまで来るのも、インターネットで検索してもなかなか出てこなくて、

シーカヤックやオーストラリアから日本まで単独航海など、

さまざまな冒険をされている八幡さんが

「クレイジージャーニー」という番組で話されていた言葉を思いだしました。

 

「これだけインターネットが普及して、世界が小さくなったって言われてるけど、

まだまだ情報がない世界ってたくさんある。そして情報がない世界はない世界になっている。

だからこそ、そういう場所に行きたいと思った。」

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私も、そういう世界に行ってみたい。

そして、この目で見てみたい。

 

いざ、ローズ畑を探すべく、村の人に聞いてまわります!

 

次回は、360℃ブルガリアンローズの世界をお伝えします^^

お楽しみに!

滋賀県出身、元外資系CA、時色株式会社取締役。イギリスでアロマセラピーを学び、IFPA認定アロマセラピスト取得。四川、バンコク、ドイツで10年暮らし、4ヶ国語(英独中泰)を取得。現在、北海道洞爺湖へ移住。

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