【 アロマテラピー:セリ科 】コリアンダー(英語: Coriander 、学名:Coriandurum sativum)まとめ

セリ科の一年草

コリアンダーの花

地中海東部原産で、各地で古くから食用とされてきた。高さ25cm程度。
葉や茎に独特の芳香がある。また、熟した果実にはレモンにも似た香りがある。

歴史

プリニウスの博物誌には、最も良い品質のコリアンダーはエジプト産という記述がある。古代エジプトでは、調理や医療に用いられていた。
記録としては、B.C.1552年のテーベの医薬書(Medical Papyrus of Thebes)にその名が見られる。

古代ギリシャや古代ローマでも、最もよく用いられた薬草のひとつであり、ヒポクラテスも推奨していた。

またエジプトでは、B.C.1000年ごろからコリアンダーと亡骸をいっしょに墓に葬る習慣があった。
イギリスへはローマ人からもたらされ、アメリカへはイギリスからの最初の移住者が伝えたとされる

用途(食用)

中華料理、タイ料理、インド料理、ベトナム料理、メキシコ料理、ポルトガル料理などに広く用いられる。
葉をハーブあるいは葉菜として、果実をスパイスとして用いる。また、煮込み料理などでは茎や根も使用されることがある。

コリアンダーの葉

葉は主に薬味として利用される。ピネン、デカナール、ノナナール、リナロールなどに由来する独特の風味があるため、人によって好き嫌いが大きく分かれる。

 ピネンなどのモノテルペン類は蒸散しやすく、乾燥に弱いため、乾燥コリアンダーリーフとして売られている商品には独特の香りはほとんどなく、生葉の代用品にはならない。栄養価の点では、生の葉はL-アスコルビン酸(ビタミンC)を比較的豊富に含む。

さまざまな地域で葉の香りを生かした料理に用いられている。

コリアンダーの根

コリアンダーの根は、タイ料理などでは、葉だけでなく、根も調味料の一つとして用いられる場合がある。

コリアンダー果実

乾燥コリアンダーシード

ヨーロッパやインドでは香辛料として種子(植物学上では果実)の利用も盛んである。

乾燥したコリアンダーの果実はコリアンダーシードなどとも呼ばれこれをすりつぶした粉末は柑橘類、特にオレンジのような香りを漂わせカレーなどに用いられる。

果実の匂いの主な成分は葉の臭い成分とは異なり、モノテルペン類のd-リナロール C10H18Oである。ミルクや紅茶と共に入れて煮るという利用法もある。ウォッカやジンに漬け込み、果実酒とすることも出来る。

薬用

中国医学では全草の乾燥品である「胡荽」の性質を温、辛として生薬のひとつともしており、また、コリアンダーは「炎症を緩和する」、「気分を落ち着ける」、「体内の毒素を排泄する」等と言われているが、ヒトでの有効性に科学的で信頼のできる充分なデータは無い。

アロマテラピー

乾燥した果実を水蒸気する。
生のものは好ききらいがわかれる香だが、感想した種子と精油は非常に快い匂いをはなつ。

コリアンダー精油は優しく気持ちを高揚させるので、

  • 疲れたとき
  • 機能不全
  • 創造力を刺激し、記憶力を高める

また、この精油は長患いの後や、難産の後の衰弱状態の際の強壮力をつける香りとして用いられ、ショック状態、不安を和らげ、ストレス、興奮、神経症を気持よくときほぐしてくれる。

またコリアンダーは月経不順によく、微弱月経、無月経、痛みを伴う月経に用いられる。

注意!多量に服用すると腎臓の炎症をおこすおそれがある。妊娠中は内服しないこと

まとめ

タイに暮らしていたころは、料理にいつも姿を見せていたコリアンダー。

体にいいことは知りながらも、ナンキンムシの匂いというくらい、
強烈な香りに、とうとう最後まで克服できなかった味。

でもコリアンダーの精油は、すばらしい恩恵がいっぱい。
忌み嫌わず、アロマセテラピーではもっと活用できるようになりたい。

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引用文献・写真

Wikipedia

コリアンダー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC

参考文献

天の香り スザンネ・フイッシャー・リチィ 手塚千史 訳

滋賀県出身、元外資系CA、時色株式会社取締役。イギリスでアロマセラピーを学び、IFPA認定アロマセラピスト取得。四川、バンコク、ドイツで10年暮らし、4ヶ国語(英独中泰)を取得。現在、北海道洞爺湖へ移住。

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