オーガニック農法を実践するレモン農家さんに出会う

パレルモから車で30分ほど郊外へ

「パレルモ市内では、レモン畑を見ることはできない」

現地の人に聞き取りをすることでようやくわかり、

レモン畑を見るには、車で30分ほどの郊外というアバウトな情報をゲット。

これだけ情報があふれているのに、こういう情報はネットを探してもでてこないんですね。

だからこそ、現地に行ってみないとわからないことが色々あるなと。

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タクシー乗り場で運転手さんたちに、詳しい場所はわからないけれど、レモンがあるとこに連れていってほしいと交渉。

往復で70€でOKとなり、いざ出発!

走り始めて20分、おうちの庭先にレモンの木が見えてきました。

その中でもたくさんのレモン木が生えていたカフェの前にとまるタクシーのおじさん。

「えー!?ここなの??」

カフェのオーナーに庭先を見れるか交渉してみようということに。

そうか、レモン畑ってここのことだったの。。と打ちひしがれながら、店内へ。

カフェで待機

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「見せてあげるけど、1時間まって。レジの番する人いないから。

アイスとか、なんでもいいから買って待ってて」とおばちゃん店主。

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タクシーのおじさんとアイスを食べながら待つ。

ここシチリアは、とくにレモン、ピスタチオのアイスが格別。

それをブリオッシュというやわらかいパンにはさんで食べると、コメダのシロノワールを飛び越えてしまうおいしさ。

天気もいいし、人もやさしいし、「もうお庭のレモンを見せてもらえるだけでもいいか」と思いかけたその時、

タクシーのおじさんがカフェのおじさんから、この近辺にレモン農家さんがいるんだとおしえてくれた。

「行こう!お願いします!」走ること、わずか3分。

ようやく出会えた黄金のレモン畑

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突然の訪問にもかからず、快く中に招き入れてくださったレモン農家のガエターノさん。(写真左の方)

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このレモンは、水だけで育てた正真正銘の無農薬レモン。

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可憐な花も咲いていて、甘い柔らかい香りにうっとり。

こちらのレモンは、レモンチェロの原料として出荷するそう。

精油はつくっていないと聞いて、こんなレモンを原料にして精油を嗅いでみたいと心底思いました。

シチリアのレモンは一本の木から年間200キロもの実が収穫でき、そこから1キロの精油がとれるそう。

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良質なレモン精油のためにイタリア政府が行う策

精油には、本来多様な物質が含まれ、それらが相互に支え合うことで、その植物のもつ力が発揮されます。

しかし、人工的に精油に含まれる物質を足し算、引き算したものも市場に多く出回っています。

その理由は、使用する目的が違うから。

例えば、香水や食品に添加される目的である場合、極端なことを言えば「レモンらしい香り」を含む物質さえあればいいわけです。そのため、シトラールを足したり、水に溶けやすいように天然ろうを分離させたりしたものが使われます。

また、ドイツの薬局では扱われるレモン精油は、一定の天然シトラールが含まれていないといけません。

このように、一定量の天然シトラールを含んでいないと、売れないというジレンマから、生産者はシトラールを添加して補うということもおこなっているようです。

この動きから、最も良質なレモン精油を出荷するために、イタリア政府はシトラールの輸入を禁止しました。

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わたしたちアロマセラピストが使うのは、物質を足し引きした精油ではなく、

信頼できる製法でつくられたものでなくてはなりません。

そのためには、信頼できる作り手、またはメーカーから精油を購入することがとても大切なわけです。

さらに、レモンの精油は皮の油線にあり、常温搾りでこれを取り出し、それを遠心分離します。

この方法だと、消毒剤をまいている場合、精油にも混ざってしまいます。

有機農法の果実からとったレモン精油であることも確認してください。

 

水だけで育てガエターノさん自慢のレモン、家に帰ってからお砂糖漬けにして冷凍庫へ。

これが、一番おいしい食べ方なのだとおしえてもらいました。

突然の訪問にも関わらず、本当にありがとうございました!

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滋賀県出身、元外資系CA、時色株式会社取締役。イギリスでアロマセラピーを学び、IFPA認定アロマセラピスト取得。四川、バンコク、ドイツで10年暮らし、4ヶ国語(英独中泰)を取得。現在、北海道洞爺湖へ移住。

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